2月17日東京総行動,フィリピントヨタ労組を支援する会報告

水道橋のトヨタ自動車東京本社前には100名以上の結集があり、午後5時10分より抗議行動が始まりました。抗議行動に先立ち、午後3時半よりトヨタ東京本社内にてフィリピントヨタ労組を支援する会による申し入れ、面談が行われました。配布したビラとトヨタに手渡した申し入れ書をご紹介します。

【ビラ】
始まった解決交渉!トヨタはフィリピンでの不当解雇を撤回せよ!

東京に住みまた働く市民、労働者の皆さん!
私達はトヨタ自動車が海外進出した現地法人フィリピントヨタ社で、組合を結成して立ち上がったフィリピン現地の従業員を233人も根こそぎ解雇し(2001年)、その後さらに4名も解雇した(2010年)ことに対し解雇撤回を求めて闘っている現地のフィリピントヨタ労組と連帯し、支援活動を行っています。

トヨタ東京本社前での抗議行動

★ようやく始まった解決交渉
国際労働機関(ILO)は、解雇は団結権・団交権の侵害であり、これらの権利を保障しているILO87号・98号条約に違反するものであるから、交渉を通じて、解雇を撤回して原職復帰させるか、あるいは適正な補償金を支払って解決するよう、何度も勧告しています。しかし、トヨタはこれに全く応じようとしていません。
フィリピンでは昨年、未解決労働争議の解決を重要政策課題の一つに掲げる新政権が誕生し、労働雇用省が強い姿勢で当事者双方を一堂に会するよう呼び出しました。フィリピントヨタ社は、呼び出された社長(日本から派遣されている鈴木氏)が自ら出席せず、あまり事情を知らない弁護士を出してきました。それでも、やっとここに、解雇から十六年経ってはじめて、労働雇用省の斡旋とILOフィリピン駐在事務所の立会いのもと労使同席の話し合いの場、解決交渉が持たれました。
しかし、会談冒頭から会社側弁護士は、「本件は解雇を適法と判断したフィリピン最高裁判決で最終的に決着しており、それに基づいての話合いには応じるが、ILO勧告に基づいての話し合いならば応じられない。そのように会社から委任されている」と発言し、問題の解決に真剣に取り組むことを拒否する、かたくなで傲慢な態度を示したため、話し合いは平行線に終始しました。

★ILOからたしなめられたトヨタ!
会談の中でトヨタ側弁護士は、「ILO勧告はフィリピン政府に出されたものでトヨタに出されたものではない」「したがってトヨタに対する法的拘束力はない」などと発言し、無知・無恥ぶりをさらけ出しました。ILO駐在事務所から、「それは違います。フィリピンはILO条約の加盟国であり、同条約は政府・労働者側・使用者側の三者構成原則によって成り立っているので、使用者に対しても法的拘束力があります」と、トヨタがたしなめられる一幕がありました。
折角始まった話合いは、1月13日と27日の二度行われただけで、会社側の打ち切り動議で中断されてしまいました。このようなトヨタのやり方は許せません。フィリピントヨタ労組と共に、私達はこのトヨタの暴挙に断固抗議します。

★どうするのかトヨタは?
ILOはフィリピントヨタ社だけではなく、それ以上に、発展途上国に行って労働者を押さえつけているグローバル企業のトヨタグループの本社、日本のトヨタのトップ経営者の姿勢を注視・監視しているのだということに、トヨタ社の経営者は気付いていないのでしょうか? 一体全体、この先もトヨタはILO条約・勧告違反企業リストに載せられたまま、やっていけると考えているのですか、豊田章男社長さん?
また、トヨタ社内には社長ほか経営のトップに「考え直した方がよいのでは」と進言する良心と勇気を持った幹部や社員は一人もいないのでしょうか?

★解決交渉をぶち壊そうとするトヨタの振舞いは許せない!
一旦始まった解決交渉を中断させたままにしたり、決裂させることなど、もうトヨタは絶対にできるわけがないでしょう。豊田章男社長、冷静、賢明にお考えになって下さい。トヨタはILO勧告に従い、フィリピンでの不当解雇を撤回撤回すべきです!
2017年2月17日

フィリピントヨタ労組( TMPCWA)・ フィリピントヨタ労組を支援する会
〒237-0063 横須賀市追浜東町3-63-901
TEL ・ FAX 046-866-4930

【申し入れ書】

2017年2月17日
トヨタ自動車株式会社
代表取締役社長 豊田 章男 殿

フィリピントヨタ自動車労働組合
(トヨタ・モーター・フィリピン・コーポレイション・ワーカーズ・アソシエイション(TMPCWA))委員長
フィリピントヨタ労組を支援する会共同代表
フィリピントヨタ労組を支援する愛知の会共同代表

-フィリピントヨタ労働争議に関する抗議・忠告・要請-

私達は、貴殿ならびに貴社に対し、以下のとおり抗議、忠告および要請致します。

1.貴社がフィリピントヨタ社において一般従業員の組合結成を理由とする大量解雇を強行したこと、ILO(国際労働機関)からの再三の勧告に従わず16年間も解決を拒否し続けていること、そして、それにもかかわらず今もって組合潰しを謀っていることに断固抗議します。

2.昨年フィリピンに誕生した、未解決労働争議の解決を重要政策課題の1つに掲げる新政権下、DOLE(労働雇用省)の強い姿勢での呼び出しにより、去る1月に、解雇から16年経ってはじめて労使双方が同席する解決に向けての話し合いの場が出来ました。しかしながら貴社側は、貴社に操縦された当時のアロヨ政権下のフィリピン最高裁が貴社側有利に下した判決により本件は最終決着済みであるとの態度に固執しそれをベースにした解決交渉でなければ応じないという態度を譲らず、このような貴社の傲慢な態度のために、折角始まった解決交渉は貴社側代理人弁護士の即時打ち切り動議によって、1月13日および27日の2回の話し合いを持っただけで中断されてしまいました。私達はこのような貴社の解決交渉を頓挫させようとする策動に断固抗議します。

3.上記の話し合いにおいて貴社側は解決金として総額約860万ペソ(約1953万円)の財政援助金を提示していると述べましたが、これは本件長期未解決争議の解決金でもなんでもありません。そもそもこの財政援助金とは、フィリピン最高裁が解雇有効の判決を下す際に情状により「支払え」あるいは「支払う必要はない」と判断する離職金の名前を変えたものにすぎず、本件にかんする前記最高裁判決では支払う必要がないと判断したものです。最高裁がこのように支払う必要がないと判断した離職金を、貴社が最高裁判決で本件解雇が決着済みであると主張しながら、あえて財政援助金と名前を変えて支払うことにしたのは、最高裁の敗訴判決にもかかわらず強固な団結を維持して闘争を持続してきたTMPCWAに対する組合潰しを謀るためでした。

4.すなわち、TMPCWAを正当に組合として扱い「最高裁判決にかかわらず財政援助金として離職金相当額を支払うから闘争を収束してもらいたい」と交渉を持ちかけるのでなく、組合員を一人ひとりを狙い打ちにし、一本釣りして誘い出し、「もうトヨタに歯向かうことはしません」という分厚い権利放棄書に、内容も読ませずコピーも渡さずにとにかく署名しろと迫って署名させたうえで支払ったものではありませんか。このような貴社の行為は、フィリピン労働法でも禁じられている組合潰しを狙った支配介入の不当労働行為にほかなりませんよ。貴社が、2012年のILO勧告が出されると、このようなやり方をぷつりと止めてしまった、止めざるを得なかったという事実が、このことを何よりも雄弁に物語っているではありませんか。

5.そのような財政援助金の受取りを拒否してきた組合員の各人別金額一覧表を、その名称・性格も示さす、権利放棄書の提示・署名要求もせずに、「当社が支払えるのはこれだけだ」といって、しれっとしてDOLEに渡してきたもの、それが合計額約860万ペソの財政援助金の正体です。貴社の振る舞いは「(ばれたら)払えばいいんだろう、払えば」という傲慢でやけっぱちの、やくざまがいのやり方です。勿論、金額一覧表を提示したけで実際の支払をしないというならば、これまたフィリピン労働法でも禁じられている組合活動を理由とする差別待遇の不当労働行為になることは言うまでもありません。しかし、支払うなら、その前にTMPCWAとの話し合いを行い、「これをもって闘争を収束して欲しい」と真っ当な申入れをするべきでしょう。それに対してTMPCWAがどのような見解を述べるかは別問題です。しかし貴社はそれに耳を傾けなければなりません。

6.貴社は、上記の財政援助金に加えて、DOLEとトヨタの50万ペソ(約113万円)ずつの折半拠出による生計プロジェクトも提示しているかのようなことを、前記1月の話し合いの場で述べました。しかし、貴社がそのような提示をした事実はまったくありません。すなわち、財政支援金以外に1銭も支払うつもりはないという頑なな態度を変えない貴社をなだめるために、DOLEが枠外解決の苦肉の策として提案したものが、このような生計費プロジェクトであったというのが事実です。これに対し貴社は、あたかも既に財政援助金を受取った組合員にも恩恵が及ぶような制度にしたいというような殊勝な言動を吐きながらDOLE提案に前向きであるかのような態度を表明しながら(2015年ILO勧告参照)、その後 2015中年も、2016中年も、そして2017年になっても現在に至るまで、これについて一切いかなる前向きの態度も明確に示してはこなかったではありませんか。

7.以上述べたとおり、貴社が提示しているという財政援助金なるものは解決の基礎になるものではありません。また、貴社がいまだに態度を明確にしていない生計費プロジェクトもまた解決の基礎になるものではありません。なお、TMPCWAは、既に財政援助金を受取った組合員にもなんらかの加算金が支払われるような解決が図られるのであれば、それに対し何等異存はなく、大歓迎であることを、この際明確にしておきます。

8.要するに、貴社が2001年に233名、そして2010年にもさらに4名を解雇して組合TMPCWAを「潰してしまおう、潰せる」と強行した一大暴挙は、あらゆる面において大破綻したのです。貴社がその現実を直視し素直に受け入れることができないこともまた一大悲劇ではありませんか。

9.貴社はこの先どうするのですか?国際化とかグローバル企業、多国籍企業であるといいながら、国際オリンピックのスポンサーにまで成りたがり、国際法とその精神に基づき人権を尊重するといいながら、他方労働者の権利に関してだけは国際労働基準を認めず、国内法の範囲内でだけ認める(進出国の発展途上国の為政者を意のままに操縦できるから?!)と公言することをはばからず(貴社の企業の社会的責任方針参照)、ILO条約・勧告違反企業リストに載ったまま大威張りで国際社会を渡り歩いていくつもりですか。それは大変危険な賭けではないのですか?

10.ILOは、フィリピンで起こっている事件だからといって、フィリピンの政労使だけを問題にしているのではありませんよ。じつはフィリピンの現地法人フィリピントヨタ社の総元締めであるトヨタグループの本社、すなわち日本のトヨタ社の経営トップの姿勢を厳しく見つめ、その上で勧告を出しているのですよ。そのことにもういい加減に気付いて、冷静賢明な決断をして下さい。今回の話し合いの場で、貴社は代理人弁護士に「ILO勧告はフィリピン政府に対して出されているものでありトヨタに対して出されたものではない」「したがってトヨタに対する法的拘束力はない」などと発言させ馬脚を現したために、すかさずILOフィリピン駐在事務所からたしなめられましたが、そのような無知を恥ずかしげもなくさらけ出すとは、“覇者の驕り”なのではありませんか。どうかTMPCWAをまともな紛争解決の相手方当事者とみなして、誠意をもって問題解決の話し合いの場について下さい。

以上のとおり抗議、忠告および要請致します。

カテゴリー: 速報! 総行動 タグ: パーマリンク